獅子心王(ライオン・ハーティド)-リチャード1世。
歴代でも有数の人気を誇るイングランド王。
第3回十字軍の事実上総大将であり、
イングランド本国には在位のうち半年しかおらず、
イングランドを荒廃させたという側面も持つ。
ってのが、一般的に知られた概略だと思いますが、
ちょっと「?」な部分がけっこうあります。
ってことで、今回はリチャード1世について、ちょこっと。
まず、彼を語るときは、
イングランド王室の興りから、簡単に語る必要がありますね。
いちおう系統としては現在まで続くイングランド王室は、
ノルマンディ公、ギョーム(ウィリアム)によって始まります。
フランス王室に分封されている身ながら、(いちおう形式上は
イングランド王国を征服し、
征服王とあだ名されることになります。
これでフランス王の家臣でありながら、同等の王でもある、
という複雑な関係ができあがります。
ということで、イングランド王は、元々ノルマンディ公爵であり、
フランス人なわけですね。
ま、もっと辿れば、ノルマンディ公爵家は、
ヴァイキングだったみたいですけど^^;
で、イングランドのノルマンディ朝が途絶えて、
その遺産を引き継いだのが、
アンジュー伯アンリ(ヘンリー)ですね。
母親がノルマンディ朝出身だったからです。
ここから、アンジュー=プランタジネット朝が始まるわけです。
プランタジネットとは、エニシダのことで、
洒落者のアンリの父親が頭に挿していて、
そうあだ名されていたことに由来するみたいです。
更に、アンリは、
アキテーヌ公爵領の女領主アリノエール(エレノア)と結婚し、
三男ジョフロア(ジェフリー)をブルターニュ公国に養子に出し、
事実上、
イングランド王 兼 ノルマンディ公 兼 アンジュー伯 兼
アキテーヌ公 兼 ブルターニュ公となったわけですね ( ̄∀ ̄;
え?もう意味がわからんって??
(↑地図でも書けョ
これでフランスのほぼ西半分からイングランドに至る
広大な領地の領主になったわけですが、
相続等によって、ただ単に不動産をかき集めただけで、
政治的に統一されたわけではないんですね。
(毛利元就も同じだったんですけどね;⇒政治的統一には非常に苦労してます
それでも、実力的にはフランス王を遥かに凌ぐ存在になります。
フランス王家は、イル・ド・フランスと呼ばれた
パリ周辺しか領地がありませんでしたから。
このアンジュー帝国と呼ばれた一大帝国を築き上げた
アンリの次男として生を受けたのがリシャール(リチャード)です
ここまで話が来るとわかると思いますが、
イングランドのポジションって非常に低いです^^;
王家もイングランド人ってより、フランス人です。
その証拠に、アンリもリシャールも英語が話せなかったと言われています。
初めて英語を話したイングランド王は、
リシャールの弟ジャン(ジョン)の孫にあたるエドワード1世らしいです。
(後日、追記)
取り消し線引いた部分は、不確定な情報を記載してしまいました。
普通に、歴史的興味で検索されて、
この記事に到達されてらっしゃる方もいらっしゃるようですし、
できるだけ、主要な学説を元に記載したいと思っています。
曖昧な情報は、曖昧な旨を添えようと思いますが、
誤記があれば、コメントしていただけると、助かります。
と、ここまで名前を()付きで記した理由は、
今後もこのルールを適用していきたいと思いますが、
前者に当時使用されていたフランス語、
後者に後世慣れ親しまれた英語表記としています。
アンリも、その後を継いだ小アンリも(同名なの^^;
むしろノルマンディ公として振舞っています。
イングランドは、爵位と税金のために手に入れたって
雰囲気ですね。
今のイングランド人は、
「当時のイングランドは、フランスにも領地を持っていた!」
という認識のようですが、
これは完全に誤りですね。
シェークスピアの影響でしょうから、
仕方ないですけど。。。
ここでようやく、本人の話題w(長ぃょ・・・
アンリは、生前分与を実施し、
長男アンリにノルマンディ・イングランド・アンジューを
次男リシャールにアキテーヌを
三男ジョフロアにブルターニュを
そして、四男ジャンには何も与えなかったとのことw
これで、ジャンは欠地王(John the LackLand)と呼ばれることになります
失地王というのは、その後の事実からの創作だそうです
その後も実権を持っていた親父アンリに息子たちが叛乱を起こしますが、
これは息子アンリが親父に負けて、収束。
しかし、ママのアリノエールがリシャールと共謀して起こした第2弾は、
親父アンリと他の兄弟たちが組んだにも拘らず、
優勢に進め、そのうち息子アンリが病死、
他の兄弟は恭順し、
親父アンリも追い詰められた末に死んでしまいます。
・・・軍事上は、本当に天才だったみたいですね。
国王になってからは、第3回十字軍に参加。
行く先々で問題を起こしながら、
天才的な軍略で、全て力で解決^^;
(ほんと、何、この人?∑ ̄ε ̄;
サラディンと死闘を演じた後、
帰途でオーストリア公レオポルドに囚われます
この話がマスターキートンに出てきた
「ドナウ川近くの動物園で、ライオンがヒョウの檻に入り出られなくなっています」
というヤツです。
(英国王室の危機を表す暗号らしいw
クエの情報にもある通り、
その後南フランスで転戦中に流れ矢が元で亡くなります。
ですが、これはクエ情報のように
フランスに攻め込んでいたのではなく、
自分の領地であるアキテーヌ諸侯の叛乱を鎮圧するために
出向いていたのです。
この叛乱自体、フランス国王フィリップ2世が扇動したんですがね。。。
ロマンティストで、軍事の天才という、
周囲には迷惑極まりない(w
リシャールは民衆での人気は絶大で、
諸侯の人気もなかなかだったようです
そんなリシャールが使っていたらしい甲冑がこれ。
・・・ここまで、長すぎだね。。。
にしても、民衆の人気たるや、
ロビン=フットと結び付けられたり、
今だに良い意味であだ名が使われてたり、
すごいの一言。
やっぱり痛快なところが良いんでしょうね。
獅子心王の甲冑が、テンプル騎士団長の甲冑と
単なる色違いなのは、秘密です
(黒太子の甲冑や聖王の甲冑もね;
勝手にカードバトル予想!
獅子心王の甲冑+フリードリヒ1世の鎧+サラディンの剣
第3回十字軍コンボっ
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